令和元年度 全国学力・学習状況調査の結果について
1 本校の状況について
(1) 教科について
① 全国(全道)平均正答率との比較
国語は、全国・全道とも上回っている。数学と英語は、全国・全道とも下回っている。
② 各教科の領域別について
◎上まわっているところ
国語・・・話すこと・聞くこと、書くこと、伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項
数学・・・図形
▼課題とされるところ
国語・・読むこと
数学・・関数、資料の活用
英語・・聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと
2 生徒質問紙について
◎上まわっているところ
(授業について)
・国語の勉強は大切だと思う。
・2年生の時に受けた授業では、英語を読んで(一文一文ではなく全体の)概要や要点をとらえる活動が行われていた。
・英語の勉強は好き。
(学習習慣・生活習慣)
・家で、自分で計画を立てて勉強をしている。
・毎日、同じくらいの時刻に寝ている・起きている。
・朝食を毎日食べている。
(自己有用感、規範意識)
・いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思う。
・先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思う。
(その他)
・生徒の話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりすることができていると思う。
▼課題とされるところ
(授業について)
・数学の勉強に対する興味・関心などが低い。
(学習習慣・生活習慣)
・学校の授業時間以外の1日あたりの勉強時間・読書時間は、1時間以内が最も多く、勉強・読書とも低い傾向がみられる。
(自己有用感、規範意識)
・自分には、良いところがあると思うと答える生徒の割合が低い。
・将来の夢や目標を持っていると答える生徒の割合が低い。
(地域・社会への関心など)
・新聞を毎日読んでいる生徒の割合が低い。
・地域や社会をよくするために何をすべきかを考える生徒の割合が低い。
3 改善に向けての取組
(1)授業の最後に振り返る活動を必ず位置付けるなど、授業改善に努めるとともに、自ら主体的に課題に取り組むことができる授業、課題提示の方法などを工夫するなど、授業改善に努める。
(2)保護者と連携を深め、家庭学習の方法や生活習慣を見直し、授業改善と家庭学習の充実を両輪とした学習指導の改善について、学校全体で組織的に取り組む。個人管理ツール「飛翔ノート」を有効活用し、家庭学習への支援を続けるとともに、家庭学習やプリント学習の定着を図る。
(3)習熟度別少人数指導による「数学科」「英語科」を実施し、数学あるいは英語を苦手と感じている生徒の学習支援に努める。
各教科のレーダーチャート
校内研修
(1)研究主題(3年計画1年次)
ねらいとまとめを明確にした、主体的な学びのための指導と評価の一体化
~学習意欲を高めるために~
(2)研究主題設定の理由
「道徳」が、平成31年4月1日から学習指導要領の一部改訂により、「特別の教科 道
徳」という新たな枠組みが設けられ、道徳科の検定教科書を使用し、記述式の評価を行う。
また、2020年度から2017年改定の学習指導要領が全面実施される。
昨年度までは道徳教育の充実について「自立した一人の人間として人生を他者とともにより
よく生きる人格の形成」を目指し、研修を進めてきた。こうした課題に対応していくために
は、社会を構成する主体である一人一人が、高い倫理観をもち、人としての生き方や社会の
在り方について、時に対立がある場合を含めて、多様な価値観の存在を認識しつつ、自ら感
じ、考え、他者と対話し協働しながら、よりよい方向を目指す資質・能力を備えることがこ
れまで以上に重要であり、こうした資質・能力の育成を目指していきたいと考えたからであ
る。また、今年度の学校重点目標「チーム大空中 ~家庭・地域と一つになって歩む学校
~」「対話重視で子どもの主体性と自己肯定感を高めよう」「『チーム』と『組織対応』重
視で学校の力を高めよう」を踏まえ、話し合いなどの言語活動やコミュニケーションを通し
て、生徒同士が関わり合い、互いのいけんに触れたり、互いの意見に触れたり、根拠や理由
を述べたりして、見方を広げたり、一層深めたり、発展させたりすることができると考え
る。今年度からは、2022年度(令和3年度)に大空小学校と大空中学校が帯広・十勝初
の義務教育学校になることを踏まえ、大空小学校との連携を考えた研究を進めていく。
上記のことより、本校の目指す生徒像「自ら進んで学ぶ生徒、思いやりのある生徒、たくま
しい生徒」を基に、研究主題を設定した。また、小学校の研修と足並みをそろえ、現在小学
校で行われている【授業と評価の一体化】の研修を本校でも進めていく。
教育課程審議会答申(平成12年12月)では、「指導と評価とは別物ではなく、評価の結果によ
って後の指導を改善し、さらに新しい指導の成果を再度評価するという、指導に生かす評価
を充実させることが重要である(いわゆる指導と評価の一体化)。」とある。また、評価の意義
としては、「児童生徒にとって評価は、自らの学習状況に気付き、自分を見つめ直すきっか
けとなり、その後の学習や発達を促すという意義がある。」とある。すなわち、評価活動を
授業の改善に生かすことや、評価の後に「自らの学習状況に気付く」指導、「自分を見つめ直
すきっかけとなる」指導、「その後の学習や発達を促す」指導を行うことによって、指導と評
価が一体化することになる。
(3)研究の目標
① 毎回の授業でのねらいを明確にすることで、生徒が自主的に学ぶ活動を通じて、学習意
欲の向上につなげ、自主的に学習活動を進めることによって生徒の自己達成感が得られ、次
の学習へ向けての意識・意欲の向上につなげることができる。
② ねらいに向けて積極的に学習活動に参加することで自己理解を深めることができ、ま
た、他者と主体的に関わることで今まで気づかなかった自己の側面や新たな発見が得られ、
自己の世界の深まりや広がりを実感することができる。
(4)研究の仮説
① <ねらいとまとめを明確にすることで、自己の学びの連鎖(スパイラル)が確立され、
次への意欲につながる>
毎回の授業でのねらいを明確にすることで、生徒が自主的に学ぶ活動を通じて、学習意欲の
向上につながるか。また、自主的に学習活動を進めることによって自己の達成感が得られ、
次の学習へ向けての意識・意欲の向上につながるか。
② <自己と他者が主体的に関わることで、より学びが深まる>
ねらいに向けて積極的に学習活動に参加することで自己理解を深めることができ、また、他
者と主体的に関わることで今まで気づかなかった自己の側面や新たな発見が得られ、自己の
世界が広がるか。
(5)研究のための具体的な実践
① 道徳の教科書をもちいた授業の研修と道徳の評価
② 学年団による全教科対象の実践交流及び指導案・年間指導計画の検討
③ 新しい学習指導要領を踏まえた研修
④ 令和二年度から始まる義務教育学校に向けての研修
(6)研究の検証方法
① 事後検討会による検討
② ワークシートによる見取り
③ ポートフォリオによる生徒の変化・成長の見取り
(7)研究課程
1年次(令和元年度)・・・本年度
道徳科の授業の実践交流・情報提供、道徳の教科化に向けた研修・評価方法、指導
案・年間指導計画の検討、手立ての交流、 地域授業公開、次年度に向けての課題・副
題の見直し、3年間計画の見直し
2年次(令和2年度)
道徳科の授業の研修、実践交流、道徳科に向けての研修、指導案検討会の実施教科
化に向けての評価方法の検討、アンケートの実施(実態把握、中間調査、検証)、次年
度に向けての課題設定、副題の見直し、計画の見直し
3年次(令和3年度)
道徳科の授業の研修、実践交流、道徳科に向けての研修、指導案検討会の実施教科
化に向けての評価方法の検討、アンケートの実施(実態把握、中間調査、検証)、次年
度に向けての課題設定、公開研、研究のまとめ、研究紀要発行、次年度に向けての課
題設定
「飛翔ノート」の活用
飛翔ノートは大空中学校独自の取組として、平成24年度より活用しています。その教育的効果が帯広市教育委員会の「絆を育む学校づくり支援
事業」として認められ、昨年度は用紙代とファイル代、今年度は印刷・製本費として予算付けをしてもらい今日に至っています。飛翔ノートと
は、自己管理(生活習慣、時間の管理、計画の実行、経験の活用)を高めるためのノートで、生徒の基本的生活習慣・学習習慣を確立するために
活用しています。
昨年の生徒アンケート結果から、このノートを書くようになって変化したこととして○忘れ物が減った○提出物の期日を守るようになった○目標
を持って生活するようになった○学習時間が増えた○毎日の過ごし方を見直すようになった○計画が立てられるようになったと答えた生徒が多数
いました。本校の学力向上に大いに貢献しているツールです。
習熟度別少人数指導
全学年の数学科と英語科で行っています。
学習の習熟度に合わせて2コースに分かれ、個に応じた指導をしています。
放課後の家庭学習サポート教室(数学科)
家庭での学習習慣定着の一助として、週に4回程度、放課後の1時間、全校生徒から希望者を募り行っています。
講師の青柳先生が、数学の基礎学習を中心に、一人ひとりのレベルに応じて、家庭での学習課題を与え、解答・解説を行う形で行っていま
す。本校の数学科の基礎学力の定着に大いに貢献してくれています。
本校ではタブレット端末による学習も行われています。
長期休業中の学習サポート
大空中学校区学校支援地域本部の学習ボランティアの皆さんによる夏休み3日間、冬休み2日間、春休み1日間の自主学習会を行っています。教
科は数学科と英語科で1日1時間を2コマを開催しています。昨年度は帯広緑陽高校にも協力いただき、生徒の学習支援を実施しています。